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GINsimによるトグルスイッチの表現手法の検討

Researcher:Kaori MitaniSatsuki Tominaga

システム生物学について

生命とは、タンパク質や遺伝子が原子・分子で構築されている様に、要素が積み重なっているシステムといえます。(図1)様々な要素とそれらの相互作用によって生じる生命の挙動を扱うことで、生命のシステムが理解出来ます。

そこで、コンピュータや数学の力を使い、生命のシステムを理解していこうとするのが、システムバイオロジーという学問です。また、複雑な計算を行う上でコンピュータシミュレーションが必須となってきます。


図1:生命システムの階層性

研究内容

私達の現在の研究は、生命システム内でトグルスイッチを表現し生命をコントロールすることを目的とします。トグルスイッチとは図2のように操作する部分が前後に動く棒のようになっておりオン・オフの切り替えが可能なスイッチです。


図2:トグルスイッチ

―2出力トグルスイッチ(Nature)

生命システム内での2出力のトグルスイッチの表現は既に作成されており、これは論理式で表現することが可能です。このため、私達の研究室はAdrien Faure先生が使っているGINsim(Gene Interaction Network simulation)ツールを使って遺伝子間のつながりを論理式で定義、モデル化しシミュレーションしています。

図3は、GINsim上でA、Bという2つの遺伝子が存在し、お互いを抑制し合っている状態をモデル化したものです。図4は、図3のモデルのシミュレーション結果から得た状態遷移図になります。各状態の数字は左側から順に遺伝子A、Bの状態を表し、0はオフ、1はオンを表します。

また、円形の各状態は安定状態といい、これ以上遷移することはありません。図4の場合、状態10はAがオン、Bがオフで、状態01はAがオフ、Bがオンです。つまり、図3のモデルと図4の状態遷移図は、2出力のトグルスイッチを表現していると言えます。

            
図3:2出力のトグル水地位GINsimモデル        図4:2出力のトグルスイッチ状態遷移図

―今、私達が取り組んでいる事

私達はGINsimを用いて3出力以上のトグルスイッチの表現を目標としました。図5・図6は3出力のトグルスイッチを表現可能である提案モデルと状態遷移図です。

3つの遺伝子が存在する場合も、それぞれを抑制し合うモデルのシミュレーションを行う事で3出力のトグルスイッチを表現することが出来ます。同様の手法を用いて、遺伝子が増えた場合でも多出力のトグルスイッチの表現が可能と考えています。

今後、この推測の証明を行い一般化していくことが課題です。

         
図5:3出力のトグルスイッチGINsimモデル        図6:3出力のトグルスイッチ状態遷移図

 

[1]Timothy S. Gardner, Charles R. Cantor & James J. Collins, Construction of a genetic toggle switch in Escherichia coli, Nature 403, 339-342, 2000.

 


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