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遺伝子トグルスイッチのモデルとその解析

Researcher:Keisuke Kawano

研究背景

近年では、生体分子を組み合わせた人工の遺伝子回路を設計し生物現象を再現する合成生物学というが研究が行われている。合成生物学は、これまでの「観察して、解析する生物学」という研究から、観察するだけにとどまらない「作って、解析する生物学」へ発展しつつある。

 

研究目的

Repressor1がPromoter1の転写を抑制し、さらにInducer1が転写が抑制されるのを抑制する。同様に、Repressor2がPromoter2の転写を抑制し、Inducer2が転写が抑制されるのを抑制する。遺伝子トグルスイッチにおいて、遺伝子が2つのトグルスイッチを3つ4つと増やしていくことで、トグルスイッチを拡張し一般化することが目的である。


図1:トグルスイッチモデル1)

リプレッサー:特定の遺伝子の発現を抑えるタンパク質。
プロモーター:遺伝子をオン‐オフする領域。
転写:DNAからRNAを合成する反応。
インデューサー:リプレッサーの働きを抑える因子。

 

研究内容

Scilab2)というツールを用いて、微分方程式の解の振る舞いを調べている。例えば、遺伝子が2つの場合の相互抑制の遺伝子回路は以下のようなモデルになる。遺伝子1はタンパク質1を作り、遺伝子2の働きを抑制する。同様に遺伝子2はタンパク質2を作り、遺伝子1の働きを抑制する (図2)。そしてこのモデルから微分方程式を立てると図2(右)の式ができる。図2(右)の微分方程式をシミュレーションすると図3の実行結果が得られる。


図2:相互抑制の遺伝子回路モデルとその微分方程式

図3はu1とu2のnullcline (ヌルクライン)を示している。nullcline (ヌルクライン)とは、u1とu2が時間変化しない条件の場合のu1とu2の関係を表したものである。nullclineを考えることは微分方程式の相空間全体を考えることに役立つ。2つのnullclineの交点を定常点といい、収束する点によってオン‐オフが切り替わり、遺伝子の発現をコントロールできる。


図3:図2のシミュレーション結果
 

参考文献
1.Timothy S. Gardner, "Construction of a genetic toggle switch in Escherichia coli", Nature 403, 20 January 2000.
2.Scilab、
http://www.scilab.org/download/5.4.1,2013年11月11日


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