HOME  >  Research  >  Bioinfomatics  >  状態推移シミュレーションによるマウス時計遺伝子機構のシステム解析

状態推移シミュレーションによるマウス時計遺伝子機構のシステム解析

Researcher:Wataru Mori

研究背景

現在多くの分野においてコンピューターシミュレーションが用いられている。生物学の分野においても生物実験で得られたデータやそれに基づく知見をもとにしてモデルを作成し、細胞内の現象をシステムとして理解するシステム生物学という分野が研究されている。

研究の対象として時計遺伝子機構を扱っている。様々な生物で時計遺伝子機構が発見され、体内時計の振動機構も次第に明らかにされつつあるが完全な解明には至っていない、本研究ではシステム生物学の考えに基づいて時計遺伝子機構の解明を行っている。

松野研究室では松野浩嗣先生とエイドリアン・フォレ先生が共同で研究を行っており、本研究ではエイドリアン先生の指導のもとGINsim(Gene Interaction Network simulation)[1]というソフトウェアを用いている。このソフトウェアは各遺伝子間の関係性を図示し、その働きを各遺伝子に論理式として与えることによってシミュレーションを行うものである。本研究では、現在までに松野先生らによって提案されているHybrid Functional Petri Net(HFPN)[2]モデルをGINsimを用いて論理的形式手法という新たなアプローチによって再検証している。

          
図1:時計遺伝子Rorを加えた                 図2:GINsim操作画面    
マウス時計遺伝子機構の模式図                           

 

研究目的と内容

研究対象として扱うのはマウスの時計遺伝子機構である。マウスの時計遺伝子機構は5つの時計遺伝子と2つのネガティブフィードバックから構成されることが知られている、図1は新たな時計遺伝子Rorを加えて提案されている模式図である。この図の青い矢印はポジティブな影響を示し、赤い矢印はネガティブな影響を表す。また、黒線はタンパク質合成や物質の結合、移動などを表す。

本研究では、模式図の情報とGINsimというツールを用いてモデル化を行う(図2)。さらに各遺伝子に対して影響関係から得られる論理式を与えることでシミュレーションを行う(図3はその結果であり状態遷移図である。)。松野研究室ではこのようにして得られたシミュレーション結果を解析しモデルを検証することで、新たな知見を得ることを目指している。


図3:シミュレーション結果である状態遷移図の例

[1] http://ginsim.org/
[2] In Silico Biol.3, 0032 <http://www.bioinfo.de/isb/2003/03/0032 > 23 June 2003.


MENU