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観光システムの開発

 自律的無線ネットワークが災害時にに安定した運用ができるためには, 平常時からこのネットワークを運用しておく必要がある. さらに, 平常時にも運用することで、無線機の導入・維持の費用対効果を高めるメリットもある.

 そこで,  このネットワークの利用価値のある平常時利用の1つとして、観光情報伝送を検討し, 観光ルート推薦システムを開発した.

 

適応的観光ルート推薦手法
 観光地を文字として扱うことで, 観光地の並びである訪問順は文字列とみなせる. 従って, 一般的な観光ルートと観光客の訪問履歴を文字列として扱うことができる. この文字列に対し, Smith-Waterman 法を用いて最良のアライメントを求めることで, 観光中の興味の変化に応じて観光地を選出する. Smith-Waterman 法 (SW 法) は, 異なる 2 つの文字列から, 最適な類似部分を抽出するものである.
 入力として, テキスト (text) と呼ばれる文字列 T とパターン (pattern) と呼ばれる文字列 P を与える.
 具体例として, 観光地とその対応する文字列を図 1 のように与える. これは山口市の主要観光地である. 観光地テキストを T=ACDBHG, P=BC とし, 以下のようにして推薦観光地を求める. 
  1. 文字列テーブルの初期化を行い, (図 2)
  2. それぞれのセルの計算を行い, (図 3)
  3. 最大スコアの位置から 0 となる位置までトレースバック (図 4) を行い、
部分文字列 BC が抽出される. テキスト ACDBCHG の BC の次の文字は H なので, 観光客にお勧めする次に訪れてほしい観光地は H の「山口情報芸術センター」となる. 

 

図1. 観光地と文字列

 

図 2. 文字列テーブの初期化

 

図 3. 文字列テーブルの計算

図 4. トレースバック

 

 観光ルート推薦システム

図 4 に自律的無線ネットワークを利用した適応的観光ルート推薦システムの構成案を示す. 被災情報共有無線ネットワークを本システムに利用するために, 新たに観光本部, 観光施設, 観光支援施設に無線基地局を配置する. 観光本部とは, 観光情報と観光客の訪問履歴を管理する施設を指している. 観光施設とは, 歴史的建造物や自然景観などの観光名所となっている施設あるいはスポットそのものを指す. また, 観光支援施設とは, 観光客が観光中に利用する売店やトイレ等の観光とは直接関係ないが, 観光客を誘致するために必ず設備しなければならない施設を指している.
各施設には無線アクセスポイントが設置されていて, 携帯端末と観光本部の PC を無線 LAN によって接続する.
観光本部には, 観光客の訪問履歴を基に観光地を推薦するプログラムがインストールされている. 観光施設や観光支援施設を訪れた観光客が無線アクセスポイントに接続し, 観光本部に現在位置を送信する. 観光本部には, 観光客の訪問履歴が保存されており, 訪問履歴を基に次に訪れてほしい観光地を選出し, 観光客に送信し表示する. 
図 5. 提案システムの概要

 

観光情報を表示する Android アプリ

本研究で想定している携帯端末には Android タブレットを採用していて, 観光情報を表示するアプリがインストールされている.
開発したアプリのスクリーンショットを図 6, 7 に示す. アプリを起動すると施設に現在位置を送信し, 作成された推奨観光地のリストを端末で受信し, Google Maps 上にピンで表示する (図 6). そのピンをタップすることで推奨観光地の詳細な情報を見ることができ, 推奨観光地までのルートも表示することができる (図 7).
 

図 6. 推薦された観光地のリスト

 

図 7. 観光地までのルート

 

 

 観光地推薦プログラム

 8 に観光地推薦プログラムの流れを示す. 開発言語には PHP を採用した. アプリから受信した端末 ID がデータ ベースに保存されているか確認を行い, 保存されていなければ 新規に保存する. 初めてアプリを起動した観光客は訪問履歴が わからないので, 決められた観光地を 3 件選出する. 保存済み ならば, 推奨観光ルートの中から SW 法を用いて訪問履歴を基 に観光地を選出する.
選出された推奨観光地のリストは JSON ファイルとして保 存する. JSON (JavaScript Object Notation) とは, 構造 化されたデータを記述するための, テキスト・ベースのデータ 記述言語の一つで, JavaScript でオブジェクト・リテラルを記 述する構文をそのまま使っているため, 人間が読んでわかりや すく, プログラムでも容易に処理できるという特徴がある.

図 8. 観光地推薦プログラム

 

観光情報システムのフィールド実験 

 9 に示すように実験フィールドの提供・協力をして頂いた 山口市佐山地区の避難所に無線ネットワークを構築し, 避難所 を観光地に見立てて開発した観光システムのフィールド実験を 行った. 実験は, タブレット PC を持って観光するというシナ リオで行い, 訪問履歴を基に適応的に観光地が推薦されること を確認した.

実験に使用した避難所を図 10 に示す. また, あらがめ準備する観光ルートは, T1 = ABCDEFGHIJK, T2 = KJIHGFEDCBA, T3 = ABFGBFABCAECKA, T4 = EHGCDKIH, T5 = ABCFGHIJK とし, 渚公会堂 から出発した.

出発後は訪問履歴が存在しないので, あらかじめ決められた 観光地を推薦する ( 11). 推薦された観光地から遠波公会堂を 選び移動する ( 12). 遠波公会堂でアプリを起動すると, 訪問 履歴 P = HG として全ての Ti(1 <= i <= 5) に対して推薦観光 地を検索すると, T1 からは H, T2 からは HG, T3 からは G, T4 からは HG, T5 からは H が類似部分として抽出され, I, F , B, C が推薦される ( 13). 推薦された観光地から佐山交 流センターを選び移動する ( 14). 佐山地域交流センターで アプリを起動すると, 訪問履歴 P = HGF として観光地を検索 , T1 からはH, T2 からはHGF, T3 からはF, T4 からは HG, T5 からは H が類似部分として抽出され, I, E, A, C 推薦される ( 15).

以上により, 開発した観光地推薦システムの動作をフィール ド実験により確認することができた.

図 16 に無線機の設置の様子を示し, 図 17 に実験の様子を示す.

図 9. 構築したネットワーク

図 10. 実験に使用した避難所

   

図 11. 渚公会堂で推薦された観光地                          図 12. 遠波公会堂までのルート

  

図 13. 遠波公会堂で推薦された観光地                  図 14. 佐山地域交流センターまでのルート

図 15. 佐山地域交流センターで推薦された観光地

 

  

図 16. 無線機の設置

 

  

図 17. 左:次の観光地までのルートを確認,  右:次の観光地までの移動

 

 

 

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